宝物
差出人は、辻佐保子さんの義妹でいらっしゃるPOCKYMAMAさん。
封筒の中に入っていたものは
辻邦生さんが1978年に軽井沢で書かれたリルケの訳詩(訳されたのは辻さんでなく山崎栄治さん)。
「コピーでごめんなさい」
とお手紙にありましたが、とんでもないです。
辻さんの自筆、ああ、こういう字をかかれたのだなぁとしみじみと拝見しました。
味のある字です。
POCKYMAMAさんも佐保子さんの実弟であられるご主人様も辻さんの書かれる字がとてもお好きだともありました。
決して達筆ではないけれど、本当によい字だと思います。
どうして私にこのような素敵なプレゼントが送られてきたのかと申しますと・・・
ある日、POCKYMAMAさんから以前私が書いた軽井沢文庫での辻邦生展の記事を偶然に見つけられて、その記事と写真を佐保子さんに送ってくださったと鍵でコメントがありました。
その時の驚き!
私のあの拙い文章を佐保子さんが読んでくださった!
そして写真を大切に「軽井沢部屋」と呼ばれているお部屋に飾ってくださっていた!
そんなことがあるのかしら・・・
生前にあれだけお目にかかりたい、お話をさせていただけたらもうこんなに嬉しいことはない、とずっと思っていた佐保子さんが、私の書いたものを読まれて「ありがたいことだわ」とおっしゃってくださっていたなんて・・・
本当に嬉しくて嬉しくて涙が出ました。
辻邦生さんは、もう何度も書いていますが私の最愛の作家です。
格調高い文章と、高い芸術性、精神性、そして「背教者ユリアヌス」を代表とする日本の作家としては稀有な長編の作品の数々・・・
そしてその辻さんをずっとご自分のお仕事もしながら支え続けていらした佐保子さん。
日本の女性の知識の最高峰にいたと言っても過言でない佐保子さんは、私の憧れの人・・・
まさか、まさかこんな風にお二人とつながる日がくるなんて・・・
夢のよう・・・
それから鍵コメントでメールでいろいろとお話をさせていただきました。
名古屋の佐保子さんのご実家に、「辻邦生・辻佐保子記念室」として、お二人の生前の写真やそのほかの大学へ行かなかったもの(辻邦生さんのものは学習院へ、佐保子さんのものは名古屋大学へ資料として収められることになりました)を展示されることになったことなど教えていただき、ああ記念室へお伺いしたい!と心から思いました。
本当は5月の連休に行きたかったのですが、母を預かることになってしまい名古屋へは行けず・・・
6月も週末は動けそうになく、7月になってしまいますが名古屋へ、記念室へお邪魔したいと思います。
お手紙には「本にでもはさんでくだれば」とありましたが、はさめません・・・
大事に、大事に保管しておきます。
たかだか一ファンである私にここまでのご厚情をお寄せくださったPOCKYMAMAさんとご主人様に心からお礼を申し上げます。
人生はいろいろとありますが、こんな風に神様はご褒美を用意してくださる。
捨てたものではないです。
参加することにしました。
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