“Virtuoso” サラサーテとその時代
“Virtuoso” サラサーテとその時代
に、この演奏会で指揮を務める藝大教授でもあり、SAWA QUARTET,東京弦楽合奏団を主宰し、紀尾井シンフォニエッタ東京のリーダーでもある、澤和樹さんから招待状が夫に届いて、師走の一歩手前の今日、上野の藝大音楽部校舎の敷地内に建つ、奏楽堂へ出かけてきました。
今年は、スペイン出身の偉大なヴァイオリニスト、サラサーテの没後100年にあたります。
サラサーテは演奏家としても超一流で、当時の作曲家に多大な影響を与えた人ですが、自らもヴァイオリンの曲を数多く作曲し、多くの人に愛されています。
そのサラサーテの曲と、同時代に生きた作曲家の作品を集めた藝大弦楽科のみなさんの演奏会♪
まあ凄いメンバー!!!
澤さんと紀尾井で一緒に活動をしている、藝大准教授の玉井菜採さん。
最年少で日本音楽コンクールで優勝し、その後ソリストとして活躍を続けている、やはり藝大准教授の漆原朝子さん。
先日リサイタルにお邪魔した、日本のコントラバスの第一人者である藝大教授の永島義男さん。
現在、藝大の招聘教授であり、18歳でパガニーニコンクールグランプリに輝き、パリのコンセルヴァトワールで教授を務め多くの国際コンクールの審査員も務めるジェラール・プーレさん。
ロン・ティボーコンクール第3位、エリザベート王妃国際コンクール第3位入賞など数多くのコンクールに入賞し、その技術、芸術性の高さにおいて現在の日本のヴァイオリニストとして追随を許さず、この人に教えを乞いたいと門を叩く学生が後をたたない藝大教授の清水高師さん。
前半は主に藝大の学生さんたちによる演奏で、サラサーテ、そしてヴュータン、ポッパーの曲が演奏されました。
前半の最後のホッパーの「ハンガリー狂詩曲作品68」は藝大の准教授でチェリストの山崎伸子さんの演奏で、ふくよかなチェロの音色がなんとも心地よく、ハンガリーの平原で風に吹かれているよう・・・
20分の休憩時間に清水高師さんの奥様にお目にかかりました。
とっても素敵な方なのです、清水さんの奥様!
後半は、藝大の准教授と教授陣のソロに藝大の学生に教授たちが参加するオケ、「藝大ヴィルティオーゾ」の演奏。
指揮は澤さん♪
澤さん指揮、素敵でした♪
まずは永島さんと玉井さんのボッテジーニ「グラン・デュオ・コンチェルタンテ」
コントラバスとヴァイオリン。
お二人の呼吸もぴったりと合って、なんとも素敵なバスとヴァイオリンの掛け合い!
2曲目は玉井さんのソロで、ドヴォルザーク「マズルカ ホ短調 作品49,B.89」
玉井さんの伸びやかなヴァイオリンが奏楽堂に響きます。
3曲目はプーレさんのソロで、ラロ「スペイン交響楽 ニ短調 作品21より第5楽章」
プーレさんのヴァイオリンの音色は繊細でいながら奥に秘めた情熱がそこここに顔を出し、ラロの世界を自在に泳ぎます。
4曲目は朝子さん。
漆原さん、というよりは我が家では常に朝子ちゃん。
サラサーテ「カルメン幻想曲 作品25」
この曲はビゼーの有名なオペラ、「カルメン」から名旋律がメドレーとなって出てくるタイトルのとおりの幻想的な曲。
朝子ちゃんの美しいヴァイオリンの音色。。。
時に静かに、時に狂おしく・・・カルメンの世界を描ききり、おお、さすが朝子ちゃんだ!!!!
最後に清水さんのサラサーテの名曲「ツィゴイネルワイゼン 作品20」
実は私は清水さんの演奏を初めて聴きました。
夫は清水さんと親しくさせていただいているので、何回も聴かせていただいていて、「ひたすら凄い!」とよく言っていたのですが、今日、初めて聴かせていただき、本当に驚いてしまいました。
ヴァイオリンの音色の素晴らしさも、そのキレのよさも、まるでパガニーニの再来のよう・・・
こんな凄いツィゴイネルワイゼンを聴けた事、なんという幸福!
拍手の鳴り止まない奏楽堂。
アンコールにプーレさんと清水さんでサラサーテの「ナヴァラ」作品33。
この曲は2台のヴァイオリンと管弦楽のための曲。
お二人の素晴らしいヴァイオリンとオケの素敵な演奏。
こんな素晴らしい演奏会、そうあるものではありません。
聴けた幸福、招待して下さった澤さんに大感謝です。
演奏会の後、ホールの外へ出てきたら・・・
奏楽堂の前にある欅の木がキラキラと輝いていました。