辻邦生・佐保子の部屋・おひるね茶家で過ごした極上の時間
辻佐保子さんの弟さんが、佐保子さんのご実家で営んでいらっしゃる「おひるね茶家」。
そこに今年の4月の終わりに辻邦生・佐保子ご夫妻の部屋が出来ました。
お二人のものは辻邦生さんのものは学習院に、佐保子さんのものは名古屋大学へほとんどが寄贈されましたが、高輪のお家で佐保子さんが飾ったいらしたプライベートな品々は弟さんご夫妻が名古屋へ持ち帰られて、この部屋が出来ました。
お二人が新婚当時に帰名されると使っていた部屋が展示室になっています。
若い日のお二人とお父上と一緒の佐保子さん。
高輪のお家にあった「軽井沢部屋」に飾っていてくださっていた私が撮影した佐保子さんの写真が、そのままの状態で展示されていて、ああ、こんな風に佐保子さんは飾ってくださっていたんだなぁと、本当に嬉しく思いました。
辻さんはなぜか石を拾い集めるのがお好きでした。
辻さんが拾い集めた小石たち。
これも高輪のお家にあったもの。
お二人がフランス、もしくはイタリアで求められ持ち帰っていらした石像。
雰囲気からするとイタリアでしょうか・・・
実は辻さんご夫妻はフランスに留学し、辻さんは仏文専攻でスタンダリアンでしたが、イタリアがお好きでした。
「心はイタリアに」と書かれた文章もあります^^
辻さんが亡くなられて数年後、お弟子さんたちと出かけたイタリアでの写真。
佐保子さんの遺言で、この写真が遺影に使われたそうです。
佐保子さんの知的だけれど飾らない柔らかなお人柄が出ているよい写真です。
撮影はしませんでしたが、辻さんから佐保子さんへの手紙、佐保子さんからお母様へのパリから出された葉書、辻さんから佐保子さんの弟さんの紘弼さんへのたくさんの葉書がきれいにスクラップブックに整理されていて、特に辻さんから佐保子さんへの「わび状」はなんとも可愛らしい文章で、辻さんが佐保子さんを本当に大事に思われていらしたのだなということがうかがえるものでした。
生前のお二人のご様子をたくさんうかがうことが出来、以前から考えていたことですが、辻邦生のあの名作の数々は佐保子さんがしっかりと辻さんを支えていらしたからこそ生まれてきたのだ、と確信しました。
元々佐保子さんのご実家は名古屋市内にあり、戦争で焼けてしまったので今の土地へ移られたのですが、名古屋のお家の図面が残っていて、それは辻さんの初期の作品である「夏の砦」に登場する家そのものでした。
軽井沢でお話をすることはかなわなかったけれど、亡くなられてからこのようにして佐保子さんの弟さんご夫妻といろいろなお話をさせていただいて、そこにまるで佐保子さんがいらっしゃるような不思議な感覚がありました。
紘弼さんが作られるランチ。
自家製のお野菜をふんだんに使われたお料理は、とっても美味しかったです。
写真がないのですけれど、メインのうちの1つ、鶏ひき肉のふわふわ蒸は絶品でした。
帰り、名古屋まで車で送ってくださり、車の中でもいろいろなお話をうかがいました。
後部座席にピンク色の可愛いクマのぬいぐるみがいて、これも高輪から?と伺ったら、佐保子さんから紘弼さんへのプレゼントだというお返事に思わず笑ってしまいました。
よい1日でした。
こんなことが起こるのだなぁと、神様に感謝せずはいられない時間でした。
後藤さまご夫妻に心から感謝を申し上げます。
初めてお目にかかったのに、我を忘れておしゃべりをしてしまいました。
このような時間を過ごさせていただいたので、また明日から頑張って生きていけると思います。
神様はまだ私を見捨てていない、そんな風にも思いました。
ありがとうございました。
辻邦生と佐保子の部屋 後藤科子工芸館
おひるね茶家 中の郷
愛知県北名古屋市中之郷南29番地
電話 0568-21-0048
♪定休日 月曜日 夏と冬にそれぞれ1か月のお休みがあります
♪予約営業 火曜日~水曜日
♪通常営業 木曜日~日曜日 10時~3時
(おひるね茶家でのお昼ご飯「いなかごはん」は予約をなさってくださいね)
参加することにしました。
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