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イタリア大好き!な働く主婦が綴る日々の雑感、独り言♪                HN 杏

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追悼

先日の姪の結婚式の夜、電話が鳴りました。

夜の電話は、ドキッ!とします。
出てみると、近所に住む大学の同級生。

「ね、26日の昼って空いてる?」

「なんで?」

「空いていたら大学へ一緒に行かない?」

大学へ一緒に???
なにしに???

「実はね、テレーズ様が亡くなられたの」

え???

「え?なんですって?」

「だからね、テレーズ様が亡くなられたの」

「いつ?」

「それがね・・・なんでこんなに遅く連絡が来るのかわからないんだけれど、昨年12月にっていうのよ。それもね、この連絡も関西のKから鎌倉のMに来て、Mが家に連絡してきて、あなたに連絡してって。多分同窓会で回しているんだと思うんだけど・・・」

「で、26日空いてる?」

空いてない!
私は25日からイタリア!!!
なんで?なんで26日なの?

「26日、大学のお御堂で追悼ミサがあるっていうのよ。そんな大事なことなんで今連絡してくるんだか・・・」

そうか、テレーズ様は学長でいらしたから、11月の物故者ミサとは別に追悼ミサを大学がするんだわ・・・

82歳でいらしたそうです。

多分、多分ですが・・・
同期の中で、卒業後、私が一番お世話になりました。

Sr.テレーズ片岡照子先生。

大学に入学して卒業までクラス担任(アドヴァイザーと言っていましたが)をしていただき、当然講義もしていただきました。

どこか変わったマ・スールで、長崎の片岡家と言えばカトリックの世界ではとても有名なお家柄ですが、その片岡家のご出身。
マ・スールにはなるべくしてなられたのか、と思っていたら、ある日のホームルームでテレーズ様は

「あら!そんなことはないわよ。修道女になるにはとても決心がいるのよ。だからね、最初は1か月だけ、次はじゃあ3か月、あら、もったわ、じゃあ半年、っていう具合に、修業の日数をちょっとずつ伸ばしていくの。1年、2年、3年、5年10年…っていう風に。で、10年もった、じゃあもうずっと神様と一緒にいても大丈夫だ!と自分のなかで踏ん切りがついて、ようやく一生を神に捧げます、って契約を結ぶのですよ。」

とおっしゃった。
へえ・・・でした。

一度、卒業してから街でばったり!とお目にかかったことがあって、その時、

「あなた、暇?暇ならそこでお茶のまないこと?」

なんて誘って下さり、それこそ確か四ツ谷の喫茶店でお茶をご馳走になったことがあります。
テレーズ様は当然修道女の服装で、私は普通の洋服。
喫茶店の店主が、なんとも微妙な顔をしていたのを思い出します。

どんな些細なことでも親身に相談に乗ってくださいました。
有難かった・・・

大学へお訪ねしたとき、テレーズ様は私に

「どんな人にもいつか光が当たるときが来ます。
今、あなたは悲しいし、辛いし、本当にどうしてよいのかわからないと思っているでしょうが、神様はね、誰にでも平等。
一人にだけ辛い思いはさせないし、一人にだけよい思いはさせたりはなさらない。
いつかあなたにきちんと光が当たる日が必ず来る。
だからその日を信じて、今をしっかり生きなさい。
そして、私はいつでもあなたのそばにいますよ。」

とおっしゃってくださいました。

それから、このテレーズ様の言葉はいつも私の心の奥にあって、辛いとき、悲しいとき、この言葉を思い出し、頑張ってきました。
年賀状をお出しすると必ずお返事を下さり、そこには毎年違う言葉が書かれていました。

「元気にしているの?」
「幸せに暮らしていますか?」
「もうお子さんはすっかり大きくなれたでしょう?」
「大学の成人講座がありますよ、時間が取れるならいらっしゃい」
「たまには大学へ遊びにいらっしゃい。待ってますから」

この賀状を見て、息子が言いました。

「母上はさ、早稲田へ行きたかった、エジプト考古学やりたかった、と盛んにいうけれど、早稲田に行っていたらこんなに暖かな賀状はもらえなかったと思うよ。忙しい学長がかつての教え子にこんなに暖かい丁寧な賀状普通くれないって!」

そうかも・・・

本当に小さな大学だったけれど、母校で学んでよかったのかも・・・

今から10年ほど前に大学時代の親友と大学で開かれた同窓会へ行き、お目にかかったのが最後です。
その後仙台の姉妹校の学長になられて東京を離れられたテレーズ様とは、賀状だけでお付き合いが続いていました。

もう一度ゆっくりお話しをさせていただきたかった・・・

私にはただ一人の恩師です。
母校へ進学しなさいと勧めてくれた高校の担任にも感謝しますが、生きていく上での、心のよりどころとなる言葉をかけてくださったのは、テレーズ様だけですから・・・

あの言葉がある限り、きちんと生きていける、と私は思います。

26日、フィレンツェのドゥォーモか、サンタ・クローチェ教会で、テレーズ様への祈りをささげて来ようと思っています。

「ああら!あなた、イタリアにはまってるの?うちはフランスよ!シャルトルだって何度も教えたでしょう!」

なんて、天国で苦笑されるかもしれませんが・・・

ご冥福をお祈りいたします。。。
by ank-nefertiti | 2011-01-23 18:25 | 考えること