清水高師ヴァイオリンリサイタル♪
清水さんと奥様と、OTOSANは何故か親しくて、昨日、東京銀座の王子ホールで行なわれた、清水さんの何年かぶりのリサイタルにご招待いただき、出かけてきました。
清水さんのヴァイオリン、OTOSANはもう何度も聴いていますが、私は一昨年の芸大奏楽堂で行なわれた、芸大の弦楽器の先生と生徒とのコンサートで実は初めて聴きました。
サラサーテの「ツィゴイネルワイゼン」だったのですが、本当に驚いてしまいました。
いや、なんなの?このヴァイオリンの音色・・・
激しく歌ったかと思うとさめざめと泣き、そして豊に歌う・・・
こんなヴァイオリン、初めて聴いた・・・
と、とても感激したのです。
今回は、ピアノにイタリアからブルーノ・カニーノさんを迎え、特別ゲストにチェロの山崎伸子さんが加わり、三重奏の演奏もある、という贅沢なプログラム・・・
前半にラヴェルのヴァイオリンソナタとシューマンのピアノ三重奏曲、後半はフォーレの主題と変奏、そしてフランクのヴァイオリンソナタ。
ピアノのカニーノさん、すっごく可愛らしい方でした。
演奏の始まる前、終わったあとの表情がとても豊かで、清水さんと演奏するのがとっても楽しいんだよ!という風で~♪
そんなお二人の掛け合いは、息もぴったりで、素晴らしかったです。
シューマンの三重奏曲も、急遽決まったプログラム、とのことでしたが、これまたさすが!!!の演奏でした。
カニーノさんのフォーレ!
フォーレをイタリア人ピアニストが弾くとこうなるんだね~、と思いました。
何と言うのかとっても洒脱な演奏だったんです^^
最後のフランク・・・
OTOSANとも話しましたが、当分誰のフランクも聴けません。
清水さんのフランクは、ああ、なんて素晴らしかったことでしょう!
以前にも書いたことがありますが、ヴァイオリンは、たとえば同じストラディヴァリを弾いても、その弾き手によって楽器が生きもし、死にもします。
清水さんは、ガダニーニを使っていらっしゃいますが、このガダニーニは清水さんが弾いてこそ!の楽器です。
相変わらず清水さんのヴァイオリンは、その音色の美しさ、豊さ、そして切れのよさ・・・
どれもこれもが一級品、というより最上級♪
私が好きな安永さんのヴァイオリンとは違いますが、清水高師は今、日本で最高のヴァイオリニストです。
アンコールではショパンのピアノ曲、あの映画「戦場のピアノスト」で使われて、とっても有名になってしまった「夜想曲20番遺作」。
ヴァイオリンで聴くと、この曲はなお聴くものの胸に切々と迫ります。
まして清水さんのヴァイオリン!
全ての演奏が終わったあと、ステージで挨拶をされたとき、「若いころはたくさんのコンサートをこなしてきましたが、これからは自分のやりたい曲、それも実が熟すように、自分の気が満ちてきたときに、今日のようなリサイタルを行なって行きたいと思います」とおっしゃいました。
清水さんのお気持ちがちょっと理解できるように思いました。
演奏会の後、清水さんに挨拶にうかがいました。
6歳でヴァイオリンを始め、10歳で毎日音楽コンクールで優勝し、17歳で日本音楽コンクールで優勝、翌年アメリカへ留学し、ハイフェッツの弟子になり、数々のコンクールで上位入賞を果たした、ある意味天才肌のヴァイオリニストは、とても物静かな、やさしい口調でお話をされる穏やかな紳士です。
思わず「どうかお身体をお大事になさって、これからも私どもに素敵なヴァイオリンを聴かせてくださいね」と言ってしまいました。
清水さん、嬉しそうに笑っていました。